小説の女王、皆川博子

小説の世界を旅する時、私はどうしようもなく心が躍ります。
特に、自分の知らない時代や国を舞台にした小説には、胸の高鳴りが抑えきれません。
そんな未知の世界に導いてくれる、私のお気に入りの小説家、皆川博子さんとその作品を紹介します。

皆川博子さんは、1929年生まれの、現在93歳。
ご高齢にもかかわらず、現在も連載小説を執筆していらっしゃる現役作家です。

1970年に「川人」で第2回学研児童文学賞(ノンフィクション部門)を受賞し、
1972年に『海と十字架』でデビュー。
その後も1973年 に「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞、
1985年に『壁・旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞(長編部門)、
1986年に『恋紅』で第95回直木三十五賞、
1990年に『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞、
1998年に『死の泉』で第32回吉川英治文学賞、
2012年に『開かせていただき光栄です』で第12回本格ミステリ大賞、同年に第16回日本ミステリー文学大賞、
2022年に第63回毎日芸術賞を受賞するなど、華々しい受賞歴の持ち主です。
2015年には文化功労者にも選出されました。

著作は膨大で、ジャンルも推理小説、歴史小説、時代小説、幻想小説、伝奇小説と、多岐に渡ります。
どの作品も魅力的なのですが、
一作だけ紹介するとしたらやはり上にも挙げた『開かせていただき光栄です』でしょうか。

本作の舞台は18世紀ロンドン。
解剖学が最先端であり、偏見にもさらされていた時代に、
外科医の解剖教室からある筈のない遺体が発見されるところから始まる推理小説です。

読み始めたばかりはとっつきにくいと感じるかもしれません。
けれど、まるで18世紀のロンドンを見てきたかのような作者の筆にいつしか引き込まれ、
個性的な登場人物達に愛着が湧き、二転三転する展開にページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
そして、あらゆる伏線が回収された鮮やかな結末に、満足すること間違いありません。
皆川博子さんが織り成す、18世紀イギリスの退廃的な世界。
ぜひあなたも冒険してわくわくしてみませんか?

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