三月にまた無事一つ歳を取った際、友人の女性がゾウの小さいぬいぐるみをくれました。
ある画家のキャラグッズだというゾウには「りんりん」というタグが付いていました。
りんりんはピンク色のゾウで、片手に持っている小さな鈴が名前の由来のようです。
友人はなんのために、いい年の私に小さいぬいぐるみをくれたかというと、今流行りの「ぬい撮り」ができるようにでした。
ぬい撮りというのは一応説明すると、ぬいぐるみがあたかも旅行したり、
お出かけを楽しんでるかのように写真を撮る事です。つまりぬい撮りのぬいはぬいぐるみの「縫い」です。
小さいと言ってもバッグの中では割とかさばりますが、私はりんりんを携えてよく出かけました。
SNSにいくら食べ物や風景の写真を載せても何の変哲もない写真しか撮れない私でしたがりんりんも一緒に撮るうちに、
りんりんは私の写真の目印になってくれました。
そして私がゾウが好きな人というのも話のとっかかりになるようになりコミュ障の私を助けてくれました。

私の実家は関東ですが、帰省の際、地元の友達との久しぶりの再会にもりんりんつれていきました。
友達と戸外に足を延ばした際、私は最初ためらいましたが、
ぬい撮りしたいといってりんりんを出すと「実は…」といって友人も犬のぬいぐるみ、
それもりんりんよりだいぶ大きなぬいぐるみをカバンから出すではないですか…
お互いがぬい撮りをしてることを知らなかった私たちは「本当に流行ってるんだね」と爆笑し、
犬とゾウを一緒に撮ることに夢中になり親ばかならぬ「ぬいバカ」になりました。
犬にはいぬぴーとあだ名をつけ、友達はりんりんに一応ちゃんを付けで呼んでくれました。(はじめだけですが)
その時は海の見える原っぱでピクニックさながらの写真を撮り、
次の帰省でも私たちは申し合わせたように二匹も再会させ、
関内の駅の中にあるストリートピアノの椅子や鍵盤に座らせてあたかも演奏してるかのような写真を撮りました。
(ストリートピアノの本来の楽しみ方とは違うと思いますが…あと一応人が途切れた時です。)
とてもマニアックな話ですが、ぬい撮りは自分の姿は写さずに、でもあきらかに友達や私だけのアイコンに近いものになるし、
そしてなによりかわいい写真になるので本当に楽しいです。

ある日りんりんをくれた友人に会う機会があり、私はりんりんを見せました。
私の誕生日から半年近くたったところでした。
すっかり毛玉ができ少し色が褪せたりんりんをみた友人は「こんなに連れて回ってくれたんだね」と、りんりんの消耗した姿をむしろ喜び笑ってくれました。
そして今度は友人も誕生日が近いのを思い出し、そろそろ寒くなるので、私は彼女にアームウォーマーをあげました。
ぬい撮りのきっかけをくれた感謝の気持ちでした。
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