新年度も半月が終了。
新しい春はいかがでしたか?
出会いと別れの季節である春は、ある意味背中を押してくれる季節です。
それは自分自身でなのか、家族からなのか、友達からなのか…
春は色んな形で誰かに支えてもらえる、一歩踏み出す季節。
私の中で、誰かに背中を押してもらったと1番記憶に残っているのが中学校の卒業式です。
私の中学校の制服はセーラー服でした。
よくある紺色に赤色のリボン、そしてセーラーカラーが白色とかなり一般的なデザインです。
卒業式の日、式が終わったあとにみんなで運動場に集合し、雑談する機会がありました。
クラスメイトや部活の友達、後輩たち。
色んな人と話していても、私の中では卒業がどこか現実離れした出来事のように思っていました。
みんなが口々に発する「卒業」という言葉が自分にだけ適応しない感覚。
明日以降会えなくなることへの悲しさはあるのですが、どうしても実感することができませんでした。
そんな中、友達が寄せ書きをしようと言い出しました。
寄せ書き?卒業アルバムはまだ届いていないのにどこへ書くのだろう。
友達が提案した寄せ書き先は、まさかのセーラーカラーでした。
セーラーカラーとはセーラー服のV字になっているあの部分のことです。
たしかに後ろの襟は結構広いけど…
友達はこう続けました。
「もう着ないセーラー服に今日この日の思い出を詰め込みたい」
思い出を詰める作業にタイムカプセルなどもありますが、
なんだか私たちらしさを感じ、みんなでセーラー服に順番に書き込んでいくことにしました。
わちゃわちゃと友達以外も巻き込んでセーラー服に目一杯思い出を詰め込みました。
書かれているときは背中を向いているため背中側に書かれた内容は見えません。
帰宅し、セーラー服を脱ぎ捨て、自分から卒業を宣言した時、
セーラーカラーを見て驚きました。
白いセーラーカラーが真っ黒に見えるほど、文字が溢れていたのです。
自分の名前を書いている人もいれば、名無しの匿名もあり、バラエティー豊かな寄せ書きでした。
制服に書かれたたくさんの「ありがとう」、そして未来についての言及。
高校への進学は期待あり、怖さありだった私にみんなは勇気と希望を託してくれたようです。
「こんなに強い味方がいるなら私は大丈夫!次に進もう、ああ、これが卒業ということか…」
卒業を自覚し、脱・中学生!新しい自分へ!
セーラー服は今も実家に置いてあり、今もこれからも私の宝物です。

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