「Stray」
はぐれる、迷い込む、さまよう――
そんな意味を持つ単語をタイトルとしたゲームが、2022年7月19日に発売されました。
発売日にSNSで話題になっているのを目にした私は、すぐにダウンロードしました。
購入を即決したのは、主人公がなんと猫だったからです。
猫好きとしては見逃せません。
主人公は、先述の通り猫。
何の特殊能力も持たない、名もなき茶トラ猫です。
彼、あるいは彼女が、三匹の仲間と雨宿りしているところから物語は始まります。
茶トラ猫を操作して仲間とじゃれ合うことができ、その仕草がとても愛らしく、冒頭から癒されます。
ひと眠りすると雨が上がり、ねぐらから動き始める猫たち。
彼らが暮らすのは、草木に覆われた、朽ちたダムのような場所です。人間の姿はありません。
高いところにジャンプしたり、不安定なパイプや鉄骨の上を歩いたり。
人間では通れない道なき道を、仲間たちに先導されて進みます。

鳴き声を上げ、木の幹で爪を研ぎ、水たまりの水を飲む。
そういった微笑ましい行動をさせて楽しんでいると、和やかな時間は唐突に終わりを迎えます。
茶トラ猫が途切れたパイプから飛び移った時、劣化したパイプが崩れ掛け、地下へと落ちてしまうのです。
大きな怪我こそしなかったものの、仲間たちとはぐれてしまった茶トラ猫。
迷い込んだ先は不気味な地下世界で、仲間のもとに帰るため、廃墟の町をさまよいます。
道が行き止まりになっていたとしても、諦めてはいけません。
高所に飛び乗り、狭い隙間を通り抜け、器用な足で物を動かし、口にくわえて物を運び。
猫ならではのアクションで、パズルを解くように道を切り拓きます。
途中、ネズミめいた奇妙な生き物の大群に襲われ、逃げ惑う場面もありながら、あるアパートに入り込みます。
PC画面には、助けを求めるメッセージ。
キーボードに乗って意味不明な文字列を入力するという、
猫らしい行動によって対話が成り立ち、扉の向こうにいざなわれます。
SOSを発信していたのは、記憶を失くした小型飛行ドローンでした。
猫に自らを起動させたドローンはB-12を名乗り、相棒として旅に加わります。
コンピュータやドアなど、電子的な操作が可能なB-12の助力によって、
茶トラ猫は地下世界のさらに奥深くへ足を踏み入れることになるのです。

そうして一匹と一機が辿り着いたのは、九龍城砦を思わせるスラム街。
そこでは、妙に人間臭いロボットたちが生活を営んでいました。
B-12に翻訳してもらいながら彼らの話を聞くと、ここは閉ざされた世界で、
外を目指すロボット、アウトサイダーなる者たちがいるといいます。
茶トラ猫はB-12に促され、アウトサイダーに協力することに――。
というのが、序盤のストーリーです。
「茶トラ猫は無事に仲間と再会できるのか?」とドキドキしませんか?
猫の可愛らしさを堪能するゲームなのかと思いきや(もちろんそれも大きな魅力ですが)、
考察しがいのあるサイバーパンクな世界観にも惹きつけられます。
人類はどうしてしまったのか?ロボットはなぜ人間のように過ごしているのか?
B-12の失われた記憶とは?ネズミのような生き物、ZURKの正体は?
などといった謎も徐々に明らかになっていき、物語世界に没入できます。
さあ、あなたも猫になりきって、サイバーアドベンチャーの世界に飛び込みましょう!
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