おもちゃだけど本物

去年の初夏にドライブに行った。
なんてことはない道の駅に気になるお土産があった。友人がSNSに挙げていた真珠の缶詰だ。

「真珠の缶詰」??と思うかもしれないが、実際に真珠の二枚貝が缶の中に入っていて
それをかわいそうだがこじ開けて中に入ってる真珠の粒を取り出せるというお土産らしい。
その道の駅では他に欲しいお土産がなく、せっかく来たのになあと思ってたところだったので、
それを手に取りつい買ってしまった。500円だった。

まるで子供の夏休みの自由研究みたいなお土産だと思ったが家に帰って、さっそく真珠を取り出してみた。
実際に缶をあけると貝殻の様子もただの二枚貝でとても真珠貝のイメージでないし、
真珠の身の部分もSNS映えするようなものではなくハマグリの身のようなものだったが
そこからコロっと小さな真珠の粒がでてきた。
真珠の色味は何パターンかあると缶にあったが、ピンクみがかったものが出てきた。友人のと同じ種類のようだった。

小さな粒というが、アクセサリー制作には使える大きさで私は何かできないか考えた。
既製品のビーズの様に穴はもちろん開いてないのでテグスなどは通せない。
丸いので接着してなにかにするのは難しいと思いつもレジンを使うことを考えた。そこからは早かった。

レジンの中にホログラムを入れて台座にフェイクパールの更に小さいパーツを使い、よりパール感を盛ってみた。
その上にそっと真珠をおいて指輪のパーツをつなげ、ついに私は真珠の粒を指輪にした。
真珠の粒自体にレジンがつくなどして質感が損なわれないように再三の注意を払った。
出来はなかなか上出来でメインの真珠はなにより自分で取り出した本物だし、
世界で一個のデザインでおもちゃだけど本物だ。

私は友人に写真をそえて連絡すると、友人も真珠を加工したいと、うちにレジンをしにやってきた。
友人は私と同じ作り方のデザインでよいと作り始めたが、
中のホログラムをピンクのにかえたら、友人のはさらにキラキラになった。

私たちの指輪は色違いになった。
友人も真珠自体にはレジンがつかないようになかば切羽詰まって作業したがよい指輪を作った。感無量のようだった。
友人は用意がよく、壊れないようにちゃんと可愛らしいジュエリーケースを持参していた。

手工芸のものではあるが、ペアみたいになっていしまった。学生のときの同級生みたいだ。
指輪はちゃんと時々使っている。 レジンも強度の強いものをつかってるので安心して普段に使っている。

自分で手に入れてきた真珠で自分で作った指輪なのでとても愛着がある。
大事な友人ともおそろい。思いがけず思い出のつまった指輪になった。

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