ZINEで形にする日常

年賀状の季節になるといろんな印刷会社の広告などを見かけると思いますが、
それだけ一般の人たちが印刷を業者に発注することが浸透してるからだと思います。
私は子供のころから学校で書いた作文の文集であったり自分で製本することにとても興味がありました。
それが高じたのか大人になってから知人に誘われ、オリジナル本のイベントに参加したことがきっかけで初めて自主制作本を作りました。

自主制作本とは、マガジンのジンをとって『ZINE』と呼ばれています。
そのときのイベントでは少部数だけ刷るプランで絵本を二冊作りました。
絵本というと誤解を招きそうですが、いわゆるフリーペーパーなどの作りを思い浮かべてもらうと分かりやすいです。
背表紙やカバーはなく全16ページ構成の薄い冊子のような、もちろん書籍コードもない本です。
なぜ16ページかというと4の倍数で閉じるからです。実質4枚の紙を二つ折にして閉じたものが16ページになります。
この時体験して楽しかったことは色々ありました。
お話の長さを16ページで終わらせるために、白紙のページや絵だけのページ、逆に文字だけのページなど調整したりしました。
まるで監督気分でカットしたり逆にシーンを挿入したり編集作業は楽しかったです。


他にも予算や作りたいものの雰囲気で紙が選べます。
私をイベントに誘ってくれた知人は印刷業者に任せていましたが、
印刷会社にない紙を本体のZINEに足したり、ミシンを使って色糸で閉じるなど手作りならではのものを制作している人もいて、
自主制作本の奥は結構深かったです。

そのあとそのZINEをもって私たちはイベントに参加するのですが、会場にも凝った作りの本がたくさん並んでました。
印刷屋さんもどこに頼むのかでも違いますし、そこに各ZINEの個性である限定された色だけで版画の様に刷られているものや、
普通の印刷ではできない特色が使われてるものなど…
印刷の事だけでなく本というテーマもかなりかみ砕かれており、カレンダーや読書ノートがあったり、ジャンルも短歌集や詩集、
きてるお客様も本ではなく活動報告をさがしに来てるような何かの趣味(例えば鉄道とか)の人もいるみたいでした。

本はフィクションの物語ももちろん楽しいですが、
切り取られた日々の生活の報告や記録のまとめの延長なども文化や日常そのものだと感じ、とても温かいものに思いました。
凝った作りでも、シンプルな製本でも作り手の思いを強く感じられ、ZINEの外観からすでに伝わるようでした。
自主制作本は既成の本にはない、ちょっとした拙さやアナログ感がありますが、それゆえ、訴えてくるものがありました。
ちなみに、ZINEを入稿するのはずっと難しいと思ってましたが、今は印刷会社に画像のドラッグアンドドロップだけのネット上の対応があり私でもできました。
更にできたものの到着日を遅らせれば遅らせるほど印刷代は安くなるところが多いのでひそかにアイデアを温めておくのは良いかもしれないです。

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