
「あなたは誰かのエナジー」
大人と子どもの寺子屋「ぱんげあ・ひろ」
Pangaea HILO(ぱんげあ ひろ)は、この界隈でイベントがあるときに集会所として使われている「久楽庵」で毎週水曜日10:00~18:00にオープンする、お年寄りから子どもまで、誰もが気軽にくつろげる無料の居場所です。
え?無料?誰でも?どういう事?
お話を聞いて戸惑う方がほとんどではないでしょうか?
それもそのはず、「ぱんげあ・ひろ」は代表である池田弘己(いけだひろみ)さんの夢と、城東区蒲生4丁目地域活性化団体「がもよんプロジェクト」の好意からはじまった唯一無二のプロジェクトだからです。
ぱんげあ・ひろの目指す事は、今は失われつつある気の良いご近所さん付き合いを、もっと気軽に行える事。国家プロジェクト、行政という大規模な取り組みでは動きが遅くなり、痒いところに手が届きません。
小さなご近所から始めて、多世代が交流する文化が当たり前になり、交流や見守り意識が芽生え、子育て世代にはホッと一息つける場所になりますし、シニア世代には生きがいづくりの場になります。子どもたちにとっては、安全な放課後の居場所になっています。
近年、地域のつながりの希薄化が問題視されるようになってきました。昔は「近所付き合い」による助け合いやコミュニケーションが行われていましたが、最近では近所どころかおとなりさんの顔さえ知らないというご家族も珍しくありません。とくに都市部のマンションなどではこの傾向は顕著で、防犯や防災面でも問題になってきました。この問題の背景には、少子高齢化や個人の価値観の多様化などが考えられます。またマンション住まいが増えたことで町内会的な集まりも減り、子どもたちも参加できるお祭りなどのイベントもめっきり少なくなった。意識的にご近所の人を避けようとしなくても、顔を合わせる機会自体がなくなっているのが現状だ。独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が、一人暮らしの20代~30代の男女、600人を対象に行った意識調査によると、全体の63.5%が「近所付き合いはない」と回答しています。それに反してご近所付き合いを「必要だと思う」、または「どちらかと言えば必要だと思う」と回答したのは、全体の5割以上にのぼるとの事です。同調査では「顔を合わせないから」「話すキッカケがないから」と、隣近所の住人との接点が少ないことが理由としてあがっています。

ぱんげあ・ひろ代表の池田さんは言います。
例えば、幼児の育児で毎日大変なママたちと、お年寄りがぱんげあ・ひろで出会うとします。すると、お年寄りは、小さい子の無邪気な声を聞くだけで元気になれますし、ママたちは人生の先輩からの話を聞けたり、自分と子どもの2人っきりの時間から解放されることでほっとすることでしょう。同時に、様々な情報交換が可能になります。ぱんげあで地域の出会いを作る事で、他の場所で会ったときに「久しぶり!」「元気だった?」「ちょっと顔色わるいんじゃない?」そんな声を掛けあえる仲になれば、防犯効果はもちろん、精神的な孤独や個人の抱える悩みも自然と相談できる社会になるんじゃないでしょうか?人と話という事は、人にとって思っている以上にパワーを得られる事だと思うんです。
そもそもなぜ池田さんはこのような不思議で、関わる人全てが幸せになるような事を思いついたのでしょうか?
起源は池田さんが高校生の時に、ぱんげあ・ひろの高層に繋がる原体験をしています。
それは彼女が入院した時の事でした。隣のベッドにいたおばあさんは、彼女が入院した当初、ほぼ寝たきりの状態でした。ところが、彼女のところにお見舞いの人がやってくると、その人たちの会話や笑顔に包まれ、不思議なことに隣のおばあさんまで、みるみる元気になっていきました。
そして彼女ともすっかり仲良しになったおばあさんがある夜、彼女に「手を繋いで寝よう」と声をかけてくれました。「いいよ!」と繋いだ手から、何とも穏やかな気持ちになり、そのおかげでぐっすりと眠ることができました。人と関わるり、元気を分け与えた経験が看護師を志し、22年ものあいだ看護師として働き続けてきたきっかけであり、そしてぱんげあ・ひろに至る出発点になったそうです。
今後池田さんが目指している事、ぱんげあ・ひろではじめて出会う人同士が小さな接点を見つけ、その接点が繋がって地域で広がり、みんなのエネルギーが循環していく―そんな場になることを目指しています。そしてこの取り組みに共感して「わたしもぱんげあ・ひろをやってみたい!」私の地元でもやってみたい!第2、第3のぱんげあ・ひろを作って下さる方が増えて、今は小さな幸せの渦を、日本全国に広げて行くことが私の夢です。


Pangaea HILO(ぱんげあ ひろ)
お年寄りから子どもまで、誰もが気軽にくつろげる無料の居場所
毎週水曜日10:00~18:00
大阪市城東区蒲生4丁目9-22「久楽庵」 080-3842-5400
※「ただいまー」と言っていただければ「おかえりー」と必ず言ってお迎えしていただけるので、心が温まり、居心地の良い時間を過ごせるのは、記者が保証いたします。